米国:USPTOが新料金を公表
2013年1月18日、USPTOは、AIA(米国改正法 America Invents Act)の施行に伴う新たな料金を公表しました。新料金の多くは、2013年3月19日からの適用となり、一部は2014年1月1日以降に適用となります。
出願・審査関連手数料
出願・審査関連手数料については、値上げされる項目(例えば、通常の特許出願の審査手数料:$250から$720へ値上げ)と値下げされる項目(例えば、通常の特許出願の基本手数:$390から$280へ値下げ)の両方が有りますが、出願・審査関連の手数料の合計としては2~3割の値上げとなります。従って、2013年3月19日以前に米国移行が可能なPCT国際出願などは、早めに手続きを進めると良いでしょう。
手続きの種類 |
現在の料金 |
新料金 |
実用特許(utility patent)の基本手数料 |
$390 |
$280 |
実用特許の調査手数料 |
$620 |
$600 |
実用特許の審査手数料 |
$250 |
$720 |
PCT米国段階移行の基本手数料 |
$390 |
$280 |
PCT米国段階の調査手数料 (国際調査報告あり) |
$500 |
$480 |
PCT米国段階の調査手数料 (国際調査報告なし) |
$630 |
$600 |
PCT米国段階の審査手数料 |
$250 |
$720 |
明細書が100枚を超えた場合における、50枚追加ごとの料金 |
$320 |
$400 |
独立クレームが3を超えた場合の追加料金 |
$250 |
$420 |
クレーム数が20を超えた場合の追加料金 |
$62 |
$80 |
多項従属クレーム料金 |
$460 |
$780 |
意匠特許基本手数料 |
$250 |
$180 |
意匠特許調査手数料 |
$120 |
$120 |
意匠特許審査手数料 |
$160 |
$460 |
RCEの手数料
以前からRCE(Request for Continued Examination)の手数料の値上げが提案されておりましたが、実際に値上げされることとなりました。従来、RCEの手数料は、それが何回目の請求であるかに関わらず1回のRCEにつきlarge entityで$930、small entityで$465であったものが、2013年3月19日以降は、一回目のRCEの手数料がlarge entity$1,200、small entity$600に、二回目以降のRCEの料金がlarge entity$1,700、small entity$850に値上げされます。
AIAにより導入された新たな手続き(異議申立制度など)の手数料
AIAにより新たに導入された付与後異議申立て制度(Post-grant review proceedings)、当事者系レビュー(Inter Partes Review)、Supplemental Examination(補足審査又は補充審査)制度についても、最終的な料金が発表されました。これらの手続きの手数料については、いずれも当初極めて高額な手数料が提案されていましたが、付与後異議申立て制度と当事者系レビューについては、申請時に支払う料金と申請が認められた際に支払う料金に分割され、また付与後異議申立て制度補充審査に関しては、手数料が引き下げられています。しかし、それでも国際的な観点からすると、特許庁に支払うオフィシャルフィーとしては、他に類を見ない高さです。
手続きの種類 |
|
料金 |
付与後異議申立(Post-Grant Review)又は一部のビジネス方法特許レビュー(Covered Business Method Patent Review) |
申請時に支払う手数料 クレーム数20まで (20を超えたクレーム毎の追加手数料$250) |
$12,000 |
申請が認められた後に支払う手数料 クレーム数15まで(15を超えたクレーム毎の追加手数料$550) |
$18,000 |
|
当事者系レビュー(Inter Partes Review) |
申請時に支払う手数料 クレーム数20まで (20を超えたクレーム毎の追加手数料$200) |
$9,000 |
申請が認められた後に支払う手数料 クレーム数15まで(15を超えたクレーム毎の追加手数料$400) |
$14,000 |
|
補充審査(Supplemental Examination) | 補充審査(Supplemental Examination)請求 |
$4,440 |
査定系再審査(ex parte reexamination)請求 [査定系再審査が不要となった際("substantial new question of patentability"が無いと判断された場合)には返還される。] |
$12,100 |
補充審査(Supplemental Examination)に関しては、現時点での手数料が、補充審査(Supplemental Examination)請求 $5,140 + 査定系再審査(ex parte reexamination)請求 $16,120ですので、2013年3月19日以降の新料金は約20%以上減額されたことになります。