東南アジアを含むアジア諸国における実用新案制度比較

近年、中国や他のアジア諸国(東南アジアを含む)における実用新案登録出願が注目されています。多くの国において、実用新案は、安価且つ早期に権利化が可能です。それ故、先進国よりも新興国における利用が盛んで、また大企業よりも中小企業に好んで利用される傾向があります。

特に中国においては、上記のような経済的・時間的メリットに加えて、権利が無効になりにくく且つ行使しやすいため、実用新案登録出願の件数が非常に多く、2010年には遂に中国国内における実用新案登録出願件数は、特許の出願件数を上回りました。

以下の表においては、東南アジアを含むアジアの代表的な出願国における実用新案制度の概要を比較します。

尚、以下の表に示した国以外では、シンガポールにおいてはインドと同様、実用新案制度は有りません。

 

 

日本

中国

マレーシア

台湾

韓国

インド
実用新案制度の有無

有り

有り

有り

有り

有り

無し
権利期間 10年 10年 10年 10年 10年 -
実体審査(新規性・進歩性等の審査)の有無

無し

無し

有り

無し

有り

-

進歩性が必要か 必要
(要求されるレベルは特許と比較して低い)
必要
(要求されるレベルは特許と比較して低い)

不要

必要
(要求されるレベルは特許と比較して低い)
必要
(特許とほぼ同レベルの進歩性が必要)

-

登録までの期間 6ヶ月前後 6ヶ月前後 審査請求後2~3年 6ヶ月前後 審査請求後1~2年

-

特許出願への変更 可
(出願から3年以内)

不可

可
(審査通知から6ヶ月以内)
可
(登録前であれば可)
可
(最初の拒絶後30日以内)

-

登録後に第三者の訴えにより無効になる可能性(特許との比較) 高い 特許より若干高い程度 高い 高い 特許とほぼ同等

-

実案権無効の場合の権利行使した相手への損害賠償

有り

無し

不明

有り

無し

-

日本語での出願

-

不可

不可

可

不可

-

特記事項

 

権利侵害で高額な和解金や賠償命令となる場合がある。 請求項は1つのみ*

 

 

-

注)
マレーシアに関して : 特許の場合、請求項が複数有る場合、請求項ごとに有効・無効が判断される。そのため、1つの請求項が無効となっても、他の請求項に係る権利が残ることがある。マレーシアの実用新案出願において請求項1つのみしか許されないということは、それが無効と判断されれば、即、権利が消滅するということを意味する。


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